『知っておくべき!』そばの美味しさ・楽しさ【見た目編】

蕎麦のお店
蕎麦のお店

はじめまして。このブログ日刊『水と蕎麦 研究図鑑』を書いているS編集長といいます。
僕は365日365店舗でそばを食べています。そば好きとそば業界全体の応援を目的にこのブログを始めました。
このページでは「そばの楽しみ方」を何処よりもわかりやすく、丁寧に、初心者の方でも全く問題ないように解説します。

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はじめに

蕎麦の美味しさをより深く楽しんでいただくコツについて、前項でご紹介いたしました。
そばを食べたときに、感覚(五感)をどのように言語化(理屈に)して、より美味しく感じることが出来るか。ここでは五感のうちの、“見た目”について解説したいと思います。

そばの色

そば屋でそばが着膳したとき、まず目に入るのは“そば”そのものの見た目です。
白いそば、灰色のそば、黒いそばと様々な色のそばが、お店ごとに個性を出しています。
特に白いそばは“御前蕎麦(更科)“、黒いそばは”田舎蕎麦“と呼ばれています。
そばの色の違いはご想像通り、そばを打つ前のそば粉の種類に由来します。

ソバの実とそば粉

まずそば粉の前に、ソバの実について説明します。
ソバの実の構造は外側から順に、外皮(そば殻)→甘皮(種皮)→胚乳→胚芽となっています。
甘皮(種皮)と胚芽にはタンパク質が多く、胚乳は炭水化物が多く含まれています。

 玄ソバ    ・・・外皮(そば殻)の付いたままの状態
 抜き実(丸抜き)・・・外皮を外した状態

ソバの実は製粉するときパッカーンと割れて、真ん中の白い部分から粉になります。
これが一番粉です。製粉を続けることで、二番粉、三番粉が生成されます。
つまり同じ十割蕎麦でも使うそば粉の違いで、白いそばもあれば、黒いそば(田舎蕎麦)もあるのです。そして、蕎麦好きに好まれる挽きぐるみの十割蕎麦は、細かく見ると模様のような粒々が確認できます。

ちなみに、『かんだやぶそば』のそばは独特の緑色でそば好きでは有名です。
元々はお客さんに清涼感を楽しんでもらおうと、蕎麦の若芽を練り込んだのが始まりです。
現在は若芽の代わりにクロレラを使っています。

そばの太さ

そばの色の次に目につくのは、そばの太さです。江戸蕎麦の基本はズバリ1.3㎜と決められています。
「切りべら23本」といって、延ばしてたたんだ蕎麦の生地1寸(3.03cm)を23本のそばに切ることを表しています。ものすごく細かい技術ですね。
「切りべら23本」の1.3㎜を「中打ち」としますと、「太打ち」は2~3㎜、「細打ち」は0.8㎜となります。

そばの断面を見てみますと、長方形なのか正方形なのか分かると思います。
包丁で切った面が長い長方形のそばは「切りべら」といい、包丁の切り口より横幅が長い長方形を「延しべら」といいます。
どちらかの違いは分かりづらいですが、そばを食べるときに断面を確認することも新たな楽しみになると思います。

郷土そばは百花繚乱

日本には各地域で独特の食べ方をする郷土そばがあります。
わんこそば(岩手県)、板そば(山形県)、へぎそば(新潟県)、おろしそば(福井県)、戸隠そば(長野県)、高遠そば(長野県)、出石そば(兵庫県)、出雲そば(島根県)、瓦そば(山口県)など。

そばの器も見たい

もりそばを注文しても、お店によって器は異なります。“せいろ”なのか“ざる”なのか、たまに陶器にそばを盛るのお店もあります。またそば猪口も重要です。
そば猪口の模様も、植物、山水、動物、人物、幾何学模様など様々です。そば猪口というのは骨董好きでは、コレクションのジャンルとして確立しています。
老舗そば屋の『並木藪』ではそば猪口、薬味皿、汁入れの3点セットは、昔から黄瀬戸と決まっています。
器にこだわりのあるそば屋では、作家ものの器(大量生産されていない器)を使っていたりします。

まとめ

人間の五感による知覚の割合は「視覚:83%、聴覚:11%、嗅覚:3.5%、触覚:1.5%、味覚:1%」と言われています。※出典『産業教育機器システム便覧』

正直に言いますと『美味しんぼ』の山岡士郎や海原雄山のように、味覚を正確に表現することはなかなかに難しいものです。

『人は見た目が9割』という本がベストセラーになっています。まずは目で観察するところから始めるのが、そばを美味しく楽しむ第一歩かつ早道です。

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