例年、各種穀物の作付面積や生産量などの統計データが発表されます。

農林水産省の公表データ、古くは明治11年(1878年)からあってびっくり。
近現代のそば栽培の歴史をグラフでたどってみました。
そこから見えてきたものとは!?
さっそく、近現代150年のそば栽培の様子をグラフで見てみましょう!
グラフの折れ線は作付面積、たて棒は収穫量です。
※以下、データの年は「年次」、年度を指します。

データの始まる明治11年(1878年)は、西南戦争の翌年、大久保利通が暗殺された年で、当時の混乱の中でも国づくりの歩みをやめなかった先人のこころざしを感じます。
最大値と最小値を記録した年はこちら。
<そばの作付面積>
最大:明治31年(1898年)178,500ha
最小:昭和52年(1977年) 16,600ha

17.8万haから1.6万haの面積へ、
約10分の1の規模に縮小…
<そばの収穫量>
最大:大正3年(1914年)154,000t
最小:平成21年(2009年)15,300t

こちらも最大から最小は10分の1の収穫量。
そば好きとしてはちょっと寂しいですね。
作付面積の最大値を記録している明治31年(1897年)は、日清戦争の少し後くらい。
収穫量の最大値を記録している大正3年(1914年)は、第一次世界大戦の直前です。

明治後半~大正初期、グラフの左側の盛り上がり具合を見ると、
当時はそば栽培が思った以上にさかんだったことがわかります。
今よりたくさんのそば畑が広がる様子を想像するとなんだかうれしくなりますね。
しかし第一次世界大戦後、作付面積・収穫量ともどんどん下がって行くのです…(涙)

第二次世界大戦後、高度経済成長を経て、70年代オイルショック後には、作付面積は最小値(昭和52年・1977年)を記録します。
しかしなんと!平成に入って作付面積は上昇の傾向へ転換します!
ちなみに収穫量の最小値は平成21年(2009年)、リーマンショック後で揺れる世界、そして日本では「農地法の改正」があり、農業が大きな転換点をむかえた年でもあります。
最近12年間(2011年~2023年)の作付面積と収穫量の数値はこちらです。

やはり作付面積は、微増ですが増えていって…ますよね!
この調子で作付面積が増えれば、新鮮でおいしいお蕎麦がより気軽に手に入るようになるのでは(嬉)
そば栽培の未来はいかに!?はたして蕎麦好きの希望的観測はあっているのか!?

次回は、最近の収穫量について、気になった点を深堀りしたいと思います。
(上のグラフや表でお気づきの人もいるかもです!)
データ出典
作物統計:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/index.html
ブログ記事作成:2025年12月11日



