『知っておくべき!』そばの美味しさ・楽しさ【食感編】

蕎麦のお店
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はじめまして。このブログ日刊『水と蕎麦 研究図鑑』を書いているS編集長といいます。僕は365日365店舗でそばを食べています。そば好きとそば業界全体の応援を目的にこのブログを始めました。
このページでは「そばの楽しみ方」を何処よりもわかりやすく、丁寧に、初心者の方でも全く問題ないように解説します。

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はじめに

蕎麦の美味しさをより深く楽しんでいただくコツについて、前項でご紹介いたしました。
そばを食べたときに、感覚(五感)をどのように言語化(理屈に)して、より美味しく感じることが出来るか。ここでは五感のうちの、“食感”について解説したいと思います。

まずは食品物理学から

そばの食感を、食品物理学の観点から見てみましょう。まず食感に関する指標として、硬さ、弾性、粘性という3つの性質を説明します。

 硬さ・・・表面の抵抗力で、傷つくといった変形のしにくさ 歯切れ(切断)に影響
 弾性・・・加わった力に対して反発する力 弾性の無い麵はプチンとすぐに切れてしまう
 粘性・・・伸び縮み時の動きに対して、ゆっくりと戻る性質

硬さとは金属の鉄球、弾性はスーパーボール(ゴム)のイメージです。
この二つの性質は相反するわけではなく、鉄でも硬さと弾性の両方の性質があります。
どちらの性質が目立っているかの違いだけです。

そばのコシとは

よく言われるそばのコシとは、硬さのことではありません。
そばの硬さとは麺を歯で噛み切る力の度合いです。そばの硬さは太ければ硬く、細ければ柔らかい。
水ですぐ締めた後は硬く、時間が経つにしたがって切れやすくなります。
のびてしまったそばは、硬さも弾性も無くなってしまいます。
逆にそばのコシを意識しすぎて、生煮えになってしまったそばは最悪です。
これがただ硬いだけのそばです。そばにはパスタのような中心に芯を残すアルデンテはありません。

食感の表現

そばの食感で大切な要素は、弾性と粘性の組み合わせです。
そばのシコシコ・ツルツルとした食感は、弾性と粘性がともに高い状態です。
そばがきのネバネバ、ベトベト、フワフワは、弾性が低くて粘性がさらに高い状態です。
もう一つ、そばの食感を表現するのに「ざらつき感」があります。
人の舌は、均一に混ぜられたものよりも、不均一なものの方がコクや風味をより感じるようにできています。
そば粉の適度な不均等さが、より美味しい食感と生み出しています。

まとめ

江戸の二八蕎麦のように細くて柔らかいツルツルと飲み込めるそばもあれば、硬くてゴツゴツしてモグモグと噛みしめる田舎蕎麦もあります。
そばは地方ごとに個性があり、さらに蕎麦屋の店主のこだわりで大きく違います。
自分の好みの食感を探りながら、そばを楽しみましょう。

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